自宅ネイルサロンを開業する時に入っておきたい保険は?加入しないリスクやトラブルの事例も紹介
「自宅サロンの開業に保険は必要ない」と思っていませんか?
万が一お客様にケガをさせてしまった場合、責任を負うのは店舗を運営する自分自身です。
どんなに小規模な経営でも、施術時の思わぬ事故による損害賠償はあなどれません。
そこで今回は、サロン保険の概要とおすすめの保険会社をご紹介します。
個人でも加入できる保険があるため、副業ネイリスト・週末サロン運営を目指す方もぜひチェックしてください。
自宅ネイルサロンについてはこちらの記事でも詳しく解説しています。ぜひ参考にしてみてください。
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目次
自宅ネイルサロンでも保険に加入する必要はある?
個人経営の場合、保険への加入は任意です。
しかし、経営の規模を問わず基本的には加入したほうがよいでしょう。
毎月一定の金額を要しますが、お客様と自分の身を守るためには必要な経費です。
未加入の状態で損害賠償請求を受けると、高額な支払いに追われて経営が破綻する可能性があります。
安定した店舗経営を続けるためにも、ぜひ保険を活用してください。
短時間営業の小規模サロンは、保障内容を厳選した少額プランに加入することがおすすめです。
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自宅ネイルサロンでのトラブルやリスク事例
細心の注意を払っていても、避けられないトラブルはあるものです。
具体的なリスク事例を見ながら、保険への加入を検討しましょう。
サロン内でのリスク
お客様のご来店した際には、以下のトラブルが起こり得ます。
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日頃の意識次第で未然に防げる項目もありますが、時には予想外の事故が発生します。
スタッフが十分に気を付けていても、棚・机から物が落ちることや、お客様の転倒は防ぎきれません。
自分の想定外の事態も起こるものと考え、保険に加入するとよいでしょう。
施術のリスク
ネイリストはお客様の身体に触れるため、施術時のケガに備える必要があります。
技術に自信があるベテランネイリストも、万が一の事態を想定するものです。
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上記のようなケースで通院が必要になった場合、サロン側は賠償金を支払います。
場合によっては高額になるため、無視できない項目でしょう。
販売物に関するリスク
店内で販売している販売物にも要注意です。
販売した商品によってお客様がケガをした場合、損害賠償を請求されるケースがあります。
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商品のパッケージによるケガも補償の対象です。
サロンのミスではありませんが、販売者責任を問われることを覚えておきましょう。
スタッフに関するリスク
保険は、自分自身や雇用しているスタッフを守る意味でも重要です。
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ネイルサロンのような女性スタッフが営業する店舗は、空き巣のターゲットにされやすいといわれています。
万が一に備え、できる限り窃盗被害も保障される保険を選びましょう。
また、スタッフが火事に気を付けていても、隣家からの燃え移りで被害を受ける可能性があります。
従業員の健康に被害が及ぶ恐れもあるため、火災保険・労災保険は積極的に検討してください。
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自宅ネイルサロンで保険に入るメリット・デメリット
経営状態によっては、保険加入にデメリットを感じます。
メリットとデメリットを比較し、改めて自分が保険に加入すべきか検討しましょう。
メリット
保険に入るメリットは主に以下の3点です。
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保険に加入すると、金銭的な不安を抱えることなく、事故によるトラブルをカバーできます。
お客様との距離が近い仕事だからこそ、信頼回復のためには最大限の保障が必要です。
もし損害賠償を請求されたとしても、保険に加入すると支払い費用を抑えられます。
高額な損害賠償請求に怯えることなく、従業員の不安・ストレスを取り除けるでしょう。
未加入時のように急に経営が破綻するリスクが少ないこともメリットです。
デメリット
保険に入るデメリットといえば、毎月費用がかかるという一点に尽きます。
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営業日数が少ないネイルサロンは、売上金額が限られます。
高額な保険料を捻出すると、赤字になる可能性もあるでしょう。
むしろ保険料が経営悪化を招く恐れがあるため、売上金額を考慮しながら最適な保険を選択してください。
自宅ネイルサロンが加入すべき保険
自宅ネイルサロン運営者は、まず以下の4つの保険を検討しましょう。
- 賠償責任保険
- 火災保険
- 休業保障
- 社会保険
賠償責任保険
賠償責任保険は、大きく4種類に分かれます。
種類 | 保障内容 |
施術賠償責任保険 | 施術でお客様にケガをさせてしまった場合の治療費・通院費等を保障する |
店舗管理事故保険 | サロン内でお客様がケガをしてしまった場合の治療費・通院費等を保障する |
生産物賠償責任保険 | サロンで販売した商品により、お客様がケガ・肌トラブルを引き起こした場合の治療費・通院費等を保障する |
受託者賠償責任保険 | お客様の私物を汚した・紛失した場合の損害賠償を補償 |
全種類を一括りにしているものや、必要項目だけを選択できるものなど、プラン内容は保険会社によって異なります。
お客様を安心してお迎えするための保障内容となるため、まずはこちらから検討してください。
火災保険
「賃料に含まれる火災保険でよいのでは?」と思っている方は要注意です。
実は、サロン営業に関する保障は賃貸契約時の火災保険の対象外であるケースが多く、天災による損害賠償を補いきれません。
火災保険は自宅とサロンでそれぞれ加入することがベターです。
休業保障
地震や水害で長期休業を余儀なくされた場合は、休業保障があると安心です。
国からの支援金で補えるケースもありますが、公的な助成金は必ずしも期待できるものではありません。
自然災害の多い土地や万が一の事態にも備えたい場合は、加入しておくとよいでしょう。
社会保険
社会保険とは、従業員の生活を保障するために必要不可欠な保険です。
このなかには、健康保険・厚生年金保険・雇用保険・労災保険が含まれます。
自分1人で運営する場合は該当しませんが、従業員雇用を検討している方は今から確認しておきましょう。
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自宅ネイルサロンで加入しておくと安心な保険
続いて、必要に応じて加入を検討したい保険をご紹介します。
今から加入を検討する方は、ぜひ以下の3点が含まれる保険を選んでください。
- 生産物賠償責任保険
- 受託者賠償責任保険
- 事業活動総合保険
生産物賠償責任保険
生産物賠償責任保険は、主にサロンで販売する商品でのケガ・肌トラブルを保障します。
ネイル施術以外に、物販も行っている場合は加入したほうがよいでしょう。
施術賠償責任保険では施術中の事故・トラブルをカバーしますが、こちらの保険では施術後のリスクヘッジも可能です。
例えば、ネイリストの技術不足によりお客様の爪・皮膚が炎症を起こしてしまった場合はこの保険が適用されます。
販売を行わない方も、加入して損はないでしょう。
受託者賠償責任保険
お客様の洋服や小物を汚したり、紛失したりした際に役立つのが受託者賠償責任保険です。
十分に気を付けていても、施術時にオイルやジェルをこぼすことは十分あり得ます。
人為的なミスは予想外なところで起こり得るため、保険に加入したほうが安心です。
なお、保障の範囲・条件は保険会社によって異なるため、詳細をよく確認してから契約するようにしましょう。
事業活動総合保険
事業活動総合保険は、被災時や盗難にあった際に役立つ保険です。
火災や盗難による被害額は高額になるケースが多く、休業を余儀なくされることもあります。
売上のない休業時の生活を考慮すると、保障で一定金額が受け取れる保険は非常に魅力的でしょう。
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自宅ネイルサロンで補償の対象外になる行為
お客様がケガをしたから、天災による被害を受けたからといって、必ずしも保険がおりるわけではありません。
想定外の出費に慌てないように、対象外となるケースも確認しましょう。
マッサージなどの国家資格が必要な行為
ネイルサロンや美容院では、お客様に対する簡易的なマッサージが認められています。
サービスの一環として、ハンドマッサージを施す方もいるでしょう。
しかし、指圧やあんまなどの国家資格を有していない担当者による施術は、保険の対象外とみなされるケースもあります。
ハンドマッサージをする際は、ネイルと同様の保障が受けられない可能性があると覚えておきましょう。
心配な場合は、契約前に保険会社へ問い合わせてみてください。
施術代金の返金
賠償責任保険の補償範囲は、あくまでもお客様のケガ・肌トラブルによる治療費・通院費です。
お詫びの気持ちを込めて施術代金をお返しするケースもありますが、これらは全額サロンの実費となります。
施術代金が保障に含まれないことは、予め把握しておきましょう。
故意による損害
保障金額を受け取る際は、状況を保険会社に報告します。
この内容に虚偽がある場合は、もちろん保障を受けられません。
また、保険金目当てで故意に発生させたと思われる事例も、保障対象外となります。
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保険はまとめて入れるサロン保険がおすすめ!
保険には数多くの種類がありますが、1つずつ分けて加入すると更新や書類の管理にも苦労します。
事務作業の手間を減らしつつ価格を抑えるためには、はじめからすべての内容を網羅した保険を選びましょう。
こちらでは一括型のプランを提供している保険会社をご紹介します。
サロン保険net.
サロン保険net.は、賠償責任補償がセットになった保険で、個人でも加入可能です。
オプションの有無によって金額は異なりますが、売上金が少額の場合は年間保険料を1万円以下(※1)に抑えられます。
負担額が少ないため、短時間・副業でネイルサロンを開業したい方にも適しているでしょう。
(※1 参考:サロン保険net.「みんなのサロンほけん 保険料シミュレーション」)
ビューティー保険ドットコム
こちらのネイルサロン対象保険は、主に賠償お手軽コースと火災総合コースの2種類に分かれます。
短時間の小規模経営の場合は前者、高収入を目指す本格的なサロン経営の場合は後者と、経営方針によって検討するとよいでしょう。
さらに、医療保障・年金準備資金に活用できる美容業オーナー保険も見逃せません。
生命保険を併せて検討したい方は、こちらも要チェックです。
手技セラピスト協会
手技セラピスト協会はセラピストの技術・知識の向上を図る団体で、加入者はサロン保険と同様の保障が受けられます。
年会費は14,000円(※2)と安価で、自宅サロン開業者に適しているでしょう。
定期的にセラピスト向けのセミナーを実施しているため、学びの場を求める方にもおすすめです。
(※2 参考:手技セラピスト協会「協会概要」)
ネイルサロン賠償補償保険
ネイルサロン賠償補償保険は、JNA会員限定の賠償責任保険です。
出張先でのトラブルを保障するプランもあるため、出張サービスを実施する方に適しているでしょう。
美容師免許がある場合は、まつ毛パーマ・まつ毛エクステの施術も保障対象になります。
自宅ネイルサロンの保険に関するよくある質問
最後に、自宅サロン開業者から寄せられたよくある質問にお答えします。
開業したばかりで売上がなくても加入できますか?
開業直後でも問題ありません。
事業計画書にて記入した年間想定売上金額を提示すると、保険に加入できます。
個人でも加入できますか?
近年は個人で加入できる保険が増えています。
売上が少ない方でも加入しやすい少額プランがあるため、金銭的な心配も不要でしょう。
ただし、保険会社によって加入条件は異なるため、事前の確認は必須です。
まとめ
ネイリストとして独立する場合は、規模を問わず保険に加入することがおすすめです。
しかし、保険加入にあたり「自分にはどのプランが最適?」「事業計画書はどのように書けばよい?」と新たな疑問が生まれた方もいるでしょう。
将来的に自宅ネイルサロン開業を目指す方は、ぜひネイルスクールの開業支援を受けてください。
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